2010年2月25日木曜日

ティシューの気遣い

http://www.spiralmarket.com/2008/06/25/img/ring.jpg
それは丁度四百枚の柔い白い紙を蔵していて、それらの紙の用途は購買者に一任されている。今、私はその最初の一枚をひき出して鼻をかんだ。
それは或る空間を占有している。だから当然時間という存在様式にも従っている。それは美しいのか醜いのか、私には断言できぬ。
(谷川俊太郎 詩集 非常に困難な物)

コップとかティッシュとか、日常のどうでもいいものへの眼差しをまとめたヘンテコ詩集からは、物へのあたたかい眼差しを感じることができる。
何の話しかというと、「行為と観察」の話しなのです。

ティシューの気遣い
箱ティッシュというのは、すごいデザインだと思う。だって一枚とると、その次のティッシュが出てくるように「デザイン」されているのだから。大げさに言えばそれは、「ものを通じた、人と人との関わり」だといえる。
ポケットティッシュはどうか?ポケットティッシュの場合はカバンやポケットの中に入れるので、ちゃんと次のティッシュが「出てこない」ように折り目がデザインされている。
我々は、この「デザイン」が誰によってなされたものかを知らない。今後100年間、ティッシュというものが存在する限りこのデザインは存在し続けるけれども、それを話題にする人なんてそう沢山は居ないだろう。

ときどき、そんなデザインが出来たら良いのにな、と思うことがある。