2008年8月8日金曜日

レイアウト教材としての牛乳パック~その1:形式知と創造性

 今度、理科系の学校を出た人たちのために、グラフィックデザインの基礎を教えるワークショップをやることになりました。ちょっと安直な例えかもしれませ んが、彼らは与えられた「公式」や「ルール」に従って創造性を発揮することに慣れています。つまり、このワークショップは二段階でやるのが適切ではないか と思ったのです。

1.形式知を教える
日本のデザイン系の学生であれば、暗黙のうちに知っているような基本的なことがら、例えば色彩・構図・文字についての知識をまず明文化して、ルール化してあげます。

2.創造性を発揮してもらう
与えられたルール(制約条件)の元で、自分の経験や感性を生かした作品をつくってもらいます。

 私も理科系人間なので、このプロセスは非 常にしっくりくるし、どちらかというと2よりも1に重きを置く(1>2)のですが、どうも美大系出身者は1と2の順番が逆の人が多く、2>1だと捉えてい る人が多いように思います。これについても、「どっちが良い」という議論は不毛だと思いますし、教育する側は、その人の特性に合わせてプロセスを臨機応変 に変えてゆくべきでしょう。

  

 さて、「2.創造性を発揮してもらう」のためには、どんな教材が良いか考えていたのですが、今回は「牛乳パック」にしてみようかと思います。なぜ牛乳パックが教材として適切なのかについては、次回書いてみたいと思います。
 ところで牛乳パックを調べていたら牛乳を愛するあまり牛乳パックの収集に走った朝倉2号 さんのブログにたどり着きました。遠出のお供はクーラーボックス、旅行に行くと宿で無理矢理飲み干す、新しいパックを見つけるとニヤ けてしまうのだそうで。世の中、面白い人がいるものです。