難しい話が続いたので、ちょっと脱線。
- 「あぶないからやめなさい!」
- 「家具に登っちゃダメ!」
いろいろ子供に注意するのもいいけれど、本当に危険なことをやめさせたければ福井県にある株式会社ジャクエツのショウルームに行くのが手っ取りばやいかもしれない。
ここでは、実際に起こった子供の事故事例を収集して、それをリアルスケールの模型という形でプレゼンテーションしている。
ジェットコースター感覚のプレゼンテーション
テレビの「衝撃の瞬間」シリーズが好評なのは、災いをテレビというデバイスを通じて見ることで、自分は安全だと論理ではわかりながら、感情的には移入し手に汗をかいてしまうという、いわば分裂症的な体験を楽しむことができるからだ。左脳では安全だと知りながら右脳は緊張してしまうという、ジェットコースターに乗っている時と同じ感覚を味わうことができる。
写真:脱力系に描かれたイラストの中でとんでもないことが繰り広げられる、地震イツモノート(イラスト:寄藤 文平)。
写真:転倒、つまづき、感電、頭打ちなど、さまざまな境遇におかれたピクトさんを特集した、ピクトさんの本。
ジェットコースター感覚がウケるワケ
現代人は意思決定の全てが情報化しつつある。だから、感情的・動物的には何も感じないまま、論理だけで判断する機会が多い。中学、高校、予備校、大学を決めるのは、様々な受験データや進学・就職データに基づいている。会社に入れば、ワンマン社長の勘による意思決定は一昔前の話しで、いまや時代はグローバリズム、事業計画は綿密なマーケティング戦略に基づいて淡々と実行される。
ジェットコースター感覚がウケる理由には、こうした背景があるような気がする。「人の不幸は蜜の味」は、一つの現代病かもしれない。