「良くそんなに毎日ブログを更新できますね!」と言われる。
「ちゃんと仕事してるんですか?」とも聞かれる。
ブログは毎日更新されているし、ちゃんと仕事もしているけど、「毎日ブログを書いているワケではない」。
bloggerやwordpressといった大抵のCMS(コンテンツ管理システム)では、情報公開日を設定することができる。だから、今読んでいるこの記事は一週間くらい前に書かれたものだったりする。良く「この話しをブログで宣伝して」と頼まれたりするのだけれど、すぐに反映しても更新は1~2週間先になってしまうのだ。
チャンクとキャッシュ
人の認知や思考の広がりには限度がある。メインディッシュを見ながらサラダを食べても美味しくないから、料理はひとまとまりのシリーズごとにサーブされる。これをチャンクと呼ぶ。同時に認識できる限界として、マジックナンバー7というのも良く知られたチャンクで、GUIの設計などで良く考慮される。
ブログのような毎日細切れの情報を断片的に書くと、そのたびに思考のモードを変えなくてはならない。これでは時間的効率が悪い。コンピュータ科学ではこれをスワップアウトといって、エンジニアはなるべくスワップを避けたがる。
短期記憶、長期記憶、ノートなど、外部記憶装置を持つ人の脳は、情報理論的に見ればずいぶんコンピュータに似ている。だからコンピュータ科学の合理的要素は、生活の中に積極的に取り入れるようにしている。名づけて「アルゴリズム生活のすすめ」。
アルゴリズム生活のすすめ
アルゴリズム生活のひとつが、キャッシュ(cache、現金cashのことではない)だ。cacheとはいわば一時保管場所で、1960年代にIBMによって実装された技術だ。人間世界でいえば、それはこのブログのように「成果物を蓄積して小出しにする」ことに近い。
あるチャンクでしか事物をとらえられない人間にとって、キャッシュを効率的に使う事で生産活動を高められる。デキル人の仕事ぶりを見ていると、無意識にチャンクやモードの使い分けと、キャッシング(サラ金のことではない)をしているようだ。