2009年3月30日月曜日

イノベーションの「格差」(その3)~なぜIDEOがダメなのか?

 例えば、「IDEOがどうして日本で成功できなかったのか?」という事の理由には、これまで書いた2つの問題が関係していると思う。それは、日本の高度成長を支えてきた企業風土と、その結果として生まれた大量の優秀なインハウスデザイナーに関係している。つまり、

  1. そもそも社内には優秀なインハウスのデザイナー、プランナーが居て、フレームワーク化されたたいがいのプロセスは、内部の人が勉強しながらこなせてしまう。
  2. クリエイティブを外注したとしても、体質的に長続きすることができないため、必然的に単発的でコンパクトななコンサルティング案件で終わってしまう。
  3. となると「コンサルティングは気分屋で、振り回されるだけ損」ということになり、結果として、コラボレーションするリソースと組織的な受容性が育たない。
ということになる。

負け組みからの脱却
さて、この論理で行くとすると、

・グローバルのフレームワークの適用
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・あなたの会社内でのイノベーション

というのは、負け組みの典型的なパターンということになる。絶対に、これだけはやってはならない。やるとしたら、

・豊かな感性と愚直さによる商品企画
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・あなたの会社オリジナルのフレームワークの確立

というのが、勝つための戦術ではないかと思う。
ちゃんと己を知り、自分がonly oneであると認識してもらえて、そのonly oneを持続できるかが、生き残る唯一の方法論ではないか。これは、もはやフレームワーク化されたイノベーションとは違う。いうならば、「生きていくための知恵」なのだ。