2009年2月27日金曜日

思考停止社会

 ちょっと前にポージングのためのデザインについて考えた。その中で、元・東京地検特捜部の郷原 信郎氏の著書、「法令順守が日本を滅ぼす」について触れた。
 思考停止社会~「遵守」に蝕まれる日本 (講談社現代新書)は、その続編らしい。

思考停止社会
 あれから2年、日本社会の状況は一層深刻化、「遵守」がもたらす「思考停止」の弊害がさらに拡大。「法令違反」だけではなく、「偽装」「隠蔽」「捏造」「改ざん」などのレッテルを貼られると、一切の弁解・反論が許されず、実態の検証もないまま、強烈なバッシングが始まる。

  • 消費期限切れ原料使用を作為的に隠蔽しようとしたわけでもないのに、「隠蔽」と決めつけられ、存亡の危機に立たされた不二家
  • 健康被害とはまったく無関係なレベルのシアン化合物の食品製造用水への混入を公表させられ、大量の商品の自主回収に追い込まれた伊藤ハム
  • 「耐震偽装」を叩くことに関心が集中、偽装の再発防止のための建築基準法改正で住宅着工がストップ、深刻な不況に見舞われた建築業界
  • 刑事司法を崩壊させかねない大問題を抱えているのに、誰も止められない裁判員制度
  • 経済司法の貧困により、秩序の悪化に歯止めのかからない市場経済
  • 何を意味するのか不明確なまま「年金記録の改ざん」バッシングがエスカレート、厚労大臣にまで「組織ぐるみで改ざん」と決めつけられた社会保険庁


(つづく)