2009年7月24日金曜日

インフォグラフィックの未来(その10)~まとめ

色々なインフォグラフィックを見てきた。総じて言えるのは、

  • ITの普及によって、確実にクロスメディア化が進んでいる。
  • ProcessingやFlashなどのツールが一般化して、敷居が下がっている。
  • 情報爆発の時代であり、可視化する対象(情報源)には困らない。
といった背景から、インフォグラフィックや情報デザインそのものが「氾濫」しつつあることだ。
情報デザインやグラフィックによる表現は、とてつもなく「軽い」。つまり、金型と違って修正が容易に利くし、IT基盤と違って、間違っていたとしても対して社会的インパクトが無いのだ。そして軽いものばかりが氾濫してしまうと、インフォグラフィックや情報デザインそのものの価値や認知が薄れてしまう気がする。

意味のあるインフォグラフィックとは
インフォグラフィックはとても面白いと思う。パラメータを様々に設定して変化する画像を見ることは楽しいし、時々息を呑むような美しい図案をみることもできる。大量のデータをマイニングするのは知的だしクリエイティブだ。しかし一方で、それは社会性を失い、情報デザイナー(Webデザイナー)の単なる自己表現の場に成り下がってはいないだろうか?
最後に、自分への戒めも兼ねて、インフォグラフィックの未来を考える上で欠かせない要素をまとめておきたいと思う。(重要度順)
  1. 社会にとって意義ある示唆が含まれていること
  2. 一瞥して意図が汲み取れること
  3. 文句なしに美しいこと
そんなインフォグラフィックが「氾濫」する世の中になれば、人類はこの情報氾濫の時代を無事、乗り越えられるのかもしれない。