2010年7月1日木曜日

武器商人との禅問答

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上:「ホレリス型パンチカードで監視を」、米TMC(IBMの前身)の機械を、
当時のナチス・ドイツ政府に売り込んだ販売会社DEHOMAGのポスター(1934)、
下:ポール・ランドがデザインした現IBMのポスター。



とあるショウの会場にて。
  • 武器商社マン(以下、武器商人)「戦争反対とか平和主義といっている人が、一方でイノベーション(技術革新)を語るのは、まるで笑顔で赤ん坊をあやしながら、実は足で踏みつけているようなものです。」
  • 石垣「よくわからないのですが、技術革新というのは戦争によってもたらされたという意味でしょうか?」
  • 武器商人「技術革新と戦争は同じ意味です。今はテロと言う場合もありますがね。本質は同じでしょう。戦争によってもたらされなかった技術革新がありますか?」
  • 石垣「まぁ、インターネットは国防のためのネットワークだし、コンピュータは弾道計算の道具でしたからね。」
  • 武器商人「ナチスのユダヤ人プロファイリングは、TMC(IBMの前身)が販売したパンチカードシステムによってもたらされたものだという意見もあるでしょう?コンピュータやネットワークの各論はさておき、なによりも第二次世界大戦最大の発明は<システム>そのものだと思いますよ。」
  • 石垣「たしかに、その後のアポロ計画なんかで培ったOR (Operations Research)とかQC (Quality Control)の思想というのは、ほとんどが我々の産業や生活基盤を下支えしていますね。リスク系の研究は金融への応用も盛んだと聞きますし。我々エンジニアはこうした歴史に、目をつぶるわけにはいかないですね。」
  • 武器商人「ナチスのV-2ロケットを発明した後でアメリカに亡命したフォン・ブラウン先生はご存じですか?<人間を宇宙へ飛ばすためなら悪魔と手を握る>ってね、あれは名言ですね。」
  • 石垣「はぁ、それは知りませんでした。名言かどうかわかりませんが、きっと本音でしょうね。」
  • 武器商人「そういうことです。石垣さんの名刺に書いてある<デザイン>っていう言葉、これも計画とか戦略ということですね?つまり、、、」
  • 石垣「ええ、ただ、デザインには造形を通じた人の所作とか、アフォーダンスを考える人間的な意味が強いのです。特に日本では。」
  • 武器商人「J.J.ギブソンですね?」
  • 石垣「ああ、よくご存じですね。デザイン、お好きなんですか?」
  • 武器商人「第二次世界大戦中、アメリカの航空部隊で運動知覚のゲシュタルト的な分析と戦闘機パイロットの訓練をしていた、ギブソン先生でしょう?ビジュアルフィードバックが必要な防衛機材の開発者なら、誰でも知っていますよ。」
  • 石垣「あぁ、、、そうでしたか。」
  • 武器商人「そうそう、デザインといえば、実は私の同僚で、プロパガンダ映像の成り立ちをコレクションしている者が居ましてね、ちょっとご紹介しましょうか?テレビの<本当の歴史>が良く分かりますよ。ご興味あるでしょう?」
  • 石垣「あ、ありがとうございます、少し疲れてしまったのでまた後で。失礼して良いですか?」
  • 武器商人「どうぞどうぞ。私はショウの期間中、ずっとここに立っていますので。あなたのように我々の本当の価値がわかる方が居て、私は嬉しいですよ。」