最近、いわゆる前期高齢者(アクティブシニア)の方々と話せる機会が多くなってきた。人によっては、メールやエクセル、翻訳ソフトなど様々な方法でPC・インターネットを使いこなしていて、とても驚いた。
そういった方々とインターネットの話をしていると気づくのが、「どうやって楽しんだら良いかをまだ知らない」ということだ。YahooもGoogleEarthもYouTubeもFlickrも名前だけは知っているけれど、そこに何を入れたら面白いのか、私の興味に関係のある情報が引き出されるのか、まったく未知数なのだ。
「ほしいものが、ほしいわ。」とは、1988年に糸井重里さんがつくられた西武百貨店のコピーだ。この続きは、こうなっている。
ほしいものはいつでも
あるんだけれどない。
ほしいものはいつでも
ないんだけれどある。
ほんとうにほしいものがあると
それだけでうれしい。
それだけはほしいとおもう。
ほしいものが、ほしいわ。
1988年はバブル絶頂期、消費者が物質のカオスの渦に巻き込まれている時代だ。その中でSEIBUへ行けば、ほしいと思えるものがあるというメッセージをわずか10文字という俳句よりも少ない情報量で見事に書き記している。キャッチコピーの一到達点だと思う。
アクティブシニアにとってのインターネットは、まさに「ほしいものが、ほしい」という状態なのではないだろうか。情報過多の混沌の中で、どうやって自分が楽しめる、役に立つ情報を探したらよいのか、その術を知らされていないのだから。
ちなみに、石垣がおじいちゃん・おばあちゃんに紹介した中で最もウケが良かったのが、YouTubeの懐かしのCMシリーズだった。特に評判だったのは1978年の崎陽軒のCM、ほのぼのしていて好きです。
2008年5月13日火曜日
シニアのためのITデザイン
ラベル:
エスノグラフィ,
コミュニケーションデザイン,
情報デザイン