2008年5月30日金曜日

工事現場から発想するデザイン

 沢山のモノが集まっているときは、デザイン思考の観察において大きなチャンスだと以前書いた。モノが理路整然かつ機能的に集まっているところといえば、「工事現場」ではないだろうか。そんなわけで工事現場を見かけたときは、観察を欠かさないようにしている。


 http://www.buildupper.com/は、工事現場の様子を視覚的に面白く表現したり、現場の音をマッシュアップして自分で楽曲をつくることができるようになっている。仕掛けているのは日本建設業団体連合会だ。どうしても3Kのイメージが強い現場の汗、騒音、重機のイメージを逆手に取り、思わず工事現場を覗きたくなるような、ワクワクさせる仕上がりになっている。

写真:サトウオオキ(NENDO)氏が手がけた、白い三角コーンのインスタレーション。夜になると内部の照明が光り、幻想的な雰囲気を演出する。

 デザイナーの手にかかれば、工事現場に山のように置かれている三角コーンだって立派な作品になってしまう。誰も気に留めないものが大量にあれば、その中から思ってもみなかった特性を見出すことができることを教えてくれているように思う。
 先日、試しに白いコーンを手に入れて、内部の容量がどのくらいあるのか色々なモノを入れて調べてみた。一番面白かった結果はカンパン3つ、1.5lのペットボトル2本、ラジオ、非常用ブラケットなど。家庭や駐車場に散らばっているコーンの体積は、例えば全部あわせると結構な防災備蓄倉庫になるかもしれない。