テレビがないので、なんとなくダラダラとJ-Wave(東京のFM局)を聞きながら過ごしています。ピストン西沢、面白いですねー。J-Waveは選曲も曲の切り方なんかもなかなかセンスが良い、のですが。やはり時々、明らかにマネーが動いていると思われる新曲が集中的に流されることがあります。
最近、良く聞くのは「Perfume(パフューム)」というアイドルグループ。これi-Tunesのランキングにも出ているので、巷では随分人気なのでしょうか?なにせテレビがないもので、、、(テレビの記憶は、「ギター侍」で止まっています)
ボ、ボコーダー!?
いまさらかもしれませんが、Perfumeのボーカルには、全てボコーダー風の変調がしてありますね。これはけっこう懐かしい。スティービーワンダーが得意げにくわえて大流行したのが、ビニールチューブから音が出るアナログ版のボコーダー「トークボックス」。
ボコーダー(VOCODER: VOice enCODER)というのは、そもそも米ベル研究所あたりで開発された軍事技術。当時の音声通信といったらJ-Waveなんかにはるかに及ばない、粗悪なものだった。そこで、肉声から「余分な」倍音成分を削ぎ落とすことで、通信効率を上げ、ノイズに強くする(S/N比を上げる)ことが必要とされたのです。誰がどんな気持ちでしゃべっているかなんてどうでもいい、とにかく必要な音声信号だけを効率的に伝達することが、当時求められてた課題だったのですね。情報理論的には実に合理的な解決策だったといえます。で、その結果できたのが、この、
- 人間の深みのある音声を全て排除した「機械音声」
だったというわけ。味も素っ気もないこのエフェクトが、当時のアーティストには「先端技術」を感じる目新しいものに写ったのかもしれません。
Perfumeは機械人間か?
なんとなくですが、スティービーワンダーやビートルズやYMOが使っていた「先端技術」としてのボコーダーと、Perfumeのものとは、ぜんぜん意味合いが違う感じがします。Perfumeのそれは、(このブログも含めてですが)、機械的な情報洪水にまみれつつも、その事をどこか快感に感じている我々に、すんなりと入ってくる気がするのです。
今の世の中は、限られた人と面と向かって唾を飛ばしながら語り合うよりも、時空をこえてより多くの人々と薄く広いコミュニケーションをする方が、現代的でITリテラシーが高いと考えられているフシがありますますね。
プロデューサーの中田ヤスタカさんという方は、そんな現代社会にスーっと入り込む音楽表現をデザインされているのではないかと思いました。