2009年1月4日日曜日

「引き際」について~ハンコ職人の決意

 遠い親戚に、ハンコ職人のおじいちゃんが居た。祖母から聞いた話しでは、70歳過ぎまで仕事をしていたという。そんな彼の話しでは、「人生に一度だけ、仕事で間違いをおかしたことがある」という。
 みなさん、ハンコ職人として、してはならない事とは、何だと思いますか?

手彫り印鑑イメージ

職人の「引き際」
 有印私文書を偽造した?お客さんの個人情報を漏らした?実印をコピーした?
 いえいえいえ、そんなミミッチイ話しではありません。
 答えは、「左右逆さに彫るべきハンコを、そのまま彫ってしまった」のだそうです。何十年という職人生活の中で、一回だけおかした誤り、しかしそれを機に、彼はハンコを彫るのをピッタリとやめてしまったのだとか。
 何かのきっかけで、定年間近の役員にこの話しをしたときに、「良い話しだねぇ~」といたく感激されてしまった。曰く「この年になると、仕事の引き際がわかっているほど、幸せなことは無い」のだとか。
 次回は情報デザインとエンジニアリング的な観点からみた、「仕事の引き際」を考えます。