これまでの話しから、いわゆるUD(ユニバーサルデザイン)の文脈は、少なくとも次の3つの要素に基づいていることがわかる。
- FUNCTION(機能)
- EDUCATION(教育)
- OPERATION(運用)
サービス視点で考える
「サービス」という業界に携わった経験のある人であれば、商品開発がFUNCTIONだけで成り立っているなどという馬鹿げたことは考え付かない。例えばホテルの顧客満足度を上げようと思ったら、従業員のEDUCATION、そしてOPERATIONを合わせて考えることになる。
バスに乗れなかった車椅子ユーザーの話しは、まさにこのEDUCATIONから始まった。つまり、バスには十分な設備(FUNCTION)が揃っていたにもかかわらず、教育(EDUCATION)が十分でなかったため、「ユニバーサルデザインという名のサービス」を提供することができなかったのだ。ここでの教育とは、単なる教え込みだけではなく、ペナルティ制度(ダイヤが乱れたことに対する処罰など)や人事制度といったことも含まれる。
そして、前のバスが詰まっていてお客さんを降ろすことができなかったのは、明らかなOPERATIONの失敗である。関係会社間の連絡体制や権限の委譲体制など、組織レベルでのオペレーション、あるいは輪止めの代用による効率性のアップといった、サービス品質の管理(SQC: Service Quality Control)に対する取り組みについて、圧倒的な不手際があったとしか言えない。この時の運転手さんは、アドホックな運用でもって、こうした会社の不手際をエレガントにカバーしていたのだ。
(つづく)