もう何年か前、近所の町工場三鷹光器の前を通りがかったら、私服警官やパトカーがそこらじゅうに居て何事かと思ったことがある。聞けば、町工場だと思っていたその会社は光学機器の超一流企業で、世界が注目するイノベーティブな製品を次々と世に送り出しており、そこに皇族の方が見学に来ているというではないか。
中村社長の目線
三鷹光器、中村社長の持論については、関連記事に書いてあるとおり、横断性や気づきに関するものが多い。まるでモノづくりというよりは、デザイナーの気質を語っているようにも見える。
それもそのはず、別の本で、中村社長が小さい頃に描いた絵を見たのだけれど、それは「魚の口から釣り人を見る絵」だった。「映画を見ている人の映画」とか、「写真を撮っている人の写真」というのは、視点を変えるという意味でデザイン思考の基本的な作法のように思える。
世界が舌を巻くイノベーティブ企業の社長は、実は天才デザイナーなのではないだろうか。