仕事で会う人なんかに、よく「デザインは何の役に立つんですか?」っていわれる事があります。普通、これをデザイナーに質問したら失礼になるのかもしれませんが、私はデザイナーではないので、皆さん直球で聞いてくるのです。
この手の質問の答えは多面体であり、正解というものはありません。そんな時は、自分の「お気に入り」を見つけるのが良いでしょう。
回答例その1
- 「何の役に立つか」だって?愚問である!
- それは感性で感じるものであって、言葉で説明するものではないのだ。
- デザイナーであるこの私の感性によって良いデザインが生まれるのである。
ちなみにあなたが経営者であって、元気の無いデザイナーを激励したいのであれば、この手の言葉を発すればイチコロだったりします。
回答例その2
- デザインとは商品の戦略的ブランディングそのものです。
- 他の商品と区別させるための「差異」をつくりだせます。
- 実際のコストよりもより「高価」に見せることができます。
ただし、デザイン系の研究者やイノベーション系の人に言うと嫌がられます。デザインは消費拡大のための道具ではなく、もっと崇高な物だと言わなくてはなりません。注意してください。
回答例その3
- デザインとは商品・サービスを企画する上でのプロセスです。
- 多くの利害関係者、多くの専門職同士の意志疎通を助け、プロジェクトを成功させます。
- ビジュアライズ、ブレスト、プロトタイプ、プレゼンなど、企画のフェーズ全てがデザインなのです。
しかし今後、こういった学際的なデザインのあり方が、より重要視される時代が来るでしょう。いくつかの成功例も耳にします。先見の目のある経営者や研究者は、こういった意味での「デザイン」を積極的に取り入れているようです。
回答例その4
- デザインは産業と切っても切れない要素であり、あらゆる製品の有姿を定めています。
- すなわちデザインとは、日本人としての生活様式(ナショナル・アイデンティティー)を規定するものなのです。
- ですからデザインを語ることは、日本の未来の文化を語ることです。
- デザインとは、生活様式そのものなのです。
その他
- デザインとは、次世代の子供たちのための宝物です。
- デザインとは、あらゆるバリアを取り払い、誰もが快適に生活するためのものです。
- デザインは、みんなの相互理解を助け、元気にするためのものです。
- デザインとは、すなわちプロデュースの能力です。