吉祥寺の駅前で、「千円札」を配っているお姉さんがいた。ドキッとした。
よくよく見るとそれは、「千円札に見える」ようにデザインされた、カラオケ店のチラシだった。左右の寸法、独特の色合い、レイアウトなどのデザイン・パターンが千円札そっくりだったけど、ディテールは千円札とは程遠いし、別に違法性もないだろう。
千円札裁判の赤瀬川原平さんは、前衛アートと貨幣のギリギリのあたりを狙われていて(結果ギリギリじゃなくてアウトだったという落ちがついたのだけれど)、「紙切れの価値」について本当に考えさせられた。
しかし千円札をチラシにしてしまうとはまた、キッチュな戦略を思いついたものだ。お札で遊ぼうは「お札」と「折り紙」という本来相容れない表現が微笑ましいのだけれど、今回の場合は広告効果の低いチラシというメディアにおいて、貨幣という「抜群のブランド力」をうまく利用した、高度なデザイン思考にさえ見えてくる。
2008年4月22日火曜日
日本最強のブランドとは?
ラベル:
グラフィックデザイン,
プレゼン術