GoodDesignを受賞したイトーキのLANシート。濃いグレーのシート部分が通信メディアになっていて、この上にPCを乗っけたときだけ、ネットワークに接続することができる。
古代ギリシャ人の夢、エーテル
PCがネットワークに接続するとき、ほぼ必ずEthernet(イーサネット)と呼ばれる規格を用いる。このEtherとは、古代物理学におけるエーテルをその語源としている。エーテルは、天空を満たす物質を意味し、目には見えなくてもこの世の様々な場所に偏在しているものと信じられていたらしい。なかなかロマンチックなネーミングを思いついたものだ。
イトーキのLANシートは、ケーブルという線の上ではなく、面空間に通信の幅を広げているところが面白い。この元になっている技術は、東京大学の篠田教授が開発した二次元通信技術を使っている。
電波法上の問題から、電源の供給に関してはまだ課題が多いらしいけれども、近い将来は通信だけでなく、給電も二次元平面上で可能となるかもしれない。例えば壁や天井に自由な形状の照明が付くとなれば、デザインの幅も大きく広がることだろう。技術革新がデザインの幅を広げているのは、見ていてとても心地よい。