2008年11月6日木曜日

インタラクティブな交通広告(その2)

http://www.tokyometro.jp/news/2004/2004-00a.jpg
「何でも動けば見るだろう」的な発想で導入された東京メトロの交通広告「サブメディア」、溜池山王-赤坂見附付近で見たことがある人も多いと思う。毎日通勤している人にとっては、もはや何の感慨もない無味乾燥なメディア。

 これまで、常設されているメディアアート的な交通広告といえば、東京メトロが導入しているサブメディアくらいのものだったと思う。それがここ数年で、街中はおしゃれでハイテクな交通広告で満たされつつある。

 http://burjdubai.img.jugem.jp/20071030_189329.jpg

 消費者の典型的な購買行動は、ローランド・ホールのAIDMA理論
  • A:Attention(注意)
  • I:Interest(興味)
  • D:Desire(欲求)
  • M:Memory(記憶)
  • A:Action(行動)
で表されると良くいわれ、そして最近のWeb2.0の潮流によってそれは電通の提唱するAISAS理論(TM)
  • A:「Attention」(注意)
  • I:「Interest」(興味)
  • S:「Search」(検索)
  • A:「Action」(購買)
  • S:「Share」(共有)
へと変化しつつあるという。しかしもはや、Attention(注意)の奪い合いによって消費者はよっぽどのことが無い限り反応しなくなってきているし、Interest(興味)を持てる代替案が世の中に沢山有る幸せな時代、さらにDesire(欲求)を刺激するキャッチコピーやSearch(検索)やShare(共有)を喚起しようとするクチコミ(buzz)マーケティングの手法にもおなか一杯である。

美しいもの、楽しいもの
 これまで、効果が限定的だった交通広告に、メディアアート的な手法が多用されるようになったのには、こうした背景があるのではないだろうか。一方的に機関銃を乱射するような広告がほとんど意味をなさなくなった今、本当に美しいと感じられるもの、本当に楽しいと感じられるものが求められている。単に目を奪うことではなく、「デザインの真価」が問われる時代になってきているのかもしれない。