色々な「デザイナー」の方とお話ししていると、ものづくりに携わるデザイナーというのには、大きく分けて次の3つのタイプがあるように思う。
第一世代デザイナー(1G) 「職人型」
- いわゆる職人的デザイナー。自らの感性を信じ、内面から湧き出る造形力に従って作品を完成させる。
- 物質的な貧しさを経験した戦後世代を中心に、若者まで広く分布している。
- 製造ラインや印刷屋さんなどの職人的技巧、皮膚感覚を尊敬している。
- 最終到達地点(カリスマ)は柳宗理。
- 良きモノが人々の生活を豊かにすると信じているか、もしくは人類の幸福などという幻想には全く興味が無い。
- CADやPhotoshopをあまり信用していない。
第二世代デザイナー(2G) 「シナリオ型」
- モノそのものというよりも、文脈性(シナリオ)を重視するデザイナー。
- 物質的に満たされた時期に教育を受け、やみくもにモノを生産するのではなく、人々の生活観や文化に合致した何かを生み出そうと思っている。
- 今のところのカリスマは深澤直人。
- 5W1H(なぜ、誰が、何を、どこで、いつ、どうやって)、アフォーダンス、オブザベーションなどを重視する。
- 新しいマンマシンインタフェース、ヒューマンインタラクションなどに興味がある。
- デジタル機器を駆使したプレゼンテーションが上手。
第三世代デザイナー(3G) 「イノベーション型」
- モノだけでなく、サービスやビジネスモデルが関心の中心となる。
- ユニバーサルデザイン、ユーザビリティ、人間中心設計、イノベーション、ワークショップ、エスノグラフィーなど、人とモノとの関係性や、企業とデザインとの関係性に興味がある。
- 経営者へのプレゼンテーションが上手だし、自らもイノベーションチームやデザインチームをマネジメントしようと思っている。
- カリスマはスティーブ・ジョブズ 、IDEOのデビット・ケリーなど。
(つづく)