2009年5月9日土曜日

休日の路上観察~フリッカーに対する感受性

 人の脳が受ける刺激の80%が視覚によるものだというけれど、気をつけないと人間は、本当に「目にみえるモノ」だけを重要視しがちである。ここで「目にみえる」といっているのは、そこに「ずっとみえている」と思い込んでいる事象全てを指している。
 例えば目の前にみえているはずのリンゴが、チカチカと時々消えていたらどんなに気持ち悪いだろうか。それは、照明の「フリッカー」のことだ。

LED信号機

 最近、都市部の信号機がどんどんLEDのものに置き換わっている。消費電力や寿命などを考えると大変効率が良いらしい。しかし、あの「フリッカー」だけは何とかして欲しい。電力を抑えるためだろうか、チカチカと点滅しているのだ。視線を少し動かすと、誰でも簡単にみてとれる。眼振のある人は、この新しい信号機が「かなり見難い」といっていた。
 信号機だけではない。自動車のテールランプ、ブレーキランプ、最近はウィンカーランプさえも、LED化が進んでいる。しかもそれらの多くが、チカチカとフリッカーを起こしている。高級車が並ぶ青山の裏通りで、チカチカとする色とりどりの灯りをみていると、まるで絵画の世界に迷い込んだかのようだ。

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