2010年4月15日木曜日

ジェネリック・デザインを買うかどうか

ジェネリック医薬品がどんどん浸透してきた。
健康保険組合の財政はどこも危機的な状況にあり、筆者の入っている保険組合も例外ではなく、パンフレットにはいつも、「安くて安全なジェネリック医薬品を使いましょう!」と大きく書かれている。
知財権が切れたデザインはパブリックドメイン(共有財産)となる。つまり使い放題である。ディスプレイや照明関係では、青色LEDの特許が早く切れるのを今や遅しと待っている人が沢山居ると聞く。

ジェネリック・デザイン?
最近、ジェネリック・デザインという耳慣れないコトバを聞いた。中国製の安いYチェアが1万5千円で売られていて、その横に「ジェネリック・デザイン」と書かれていたのだ。
なるほど、カールハンセンの意匠権が切れているから、これはどこかの企業がコピー品(復刻品)を売り出しているのだということがわかった。いくら合法とはいえ、コピー品というと聞こえは悪いけれども、ジェネリック・デザインと言われればなるほど、何か良い物を買った気になるから不思議だ。
ちょっと調べただけでも、「ジェネリック家具」を専門にしているお店は多い。

バルセロナチェアが13万円となれば、ちょっと玄関飾りに買っても良いかなと思ってしまう人も多いだろう。
日本での意匠権の存続期間は20年で、これは世界的に見ても長い部類に入るらしい。はたしてこれは、デザイナーの一生にとって長いのだろうか?短いのだろうか?
日本のデフレが進行して、そのうちデパートが「ジェネリック・デザインを買いましょう!」なんていうキャンペーンをやったりしないだろうか。

と、余計な事を考えながら、複雑な心境に浸ってしまった。