いつも読んでいただきありがとうございます。
今日は常連の方々への御礼を兼ねて、このブログに寄せられる良くある批判とその答えを書いてみようと思います。このブログの数千人ほどの読者は、幸いとても知性の高い方々のようです。その証拠に、いかに私がひどい記事を書こうとも、冷静な意見(批判)をこっそり寄せてくださることはあっても、誹謗中傷する事は一度もありませんでした。黙殺されることはあっても、炎上することはありませんでした。
そんな寡黙な賢者である読者の方々に(寡黙であることと賢いことはほぼ同じ意味ですが)、今日は少しだけフィードバックを書きたいと思ったのです。
最も良くある批判
- 度を超えてダークなネタが多いのは何故ですか?
- 本当のところ、あなたはデザインが嫌いなのでしょう?
- デザイナーの心理を逆撫でするような記述はやめてください。
(回答)
愛する人と結婚させてもらえなくて、組織の狭間で悩み、スパイまがいの行為までさせられ、挙げ句の果ては師匠に裏切られる。そうして心がダークサイドに傾いてしまう。彼こそ正しく人間らしく、同情すべき人物ではないでしょうか?誰の話かというと、ダースベイダーの話しなのです。
どんな分野であれ、明るい面と暗い面を持っています。科学や工学は文明の進歩と戦争とによって、表裏一体をなしています。あるいは飽くなき探求心と科学者のエゴとによって、です。
このような善と悪の戦いは戯曲における定番中の定番でもありますね。それは時に人工知能と人間との戦い(ターミネーター)であったり、現実と幻想との戦い(マトリクス)であったりするのですが、どれも同じ対立構図によって成り立っています。どうも、何か新しい一つの体系が生まれたとき、そこに善と悪という表裏一体の観念が生じるのは、人類の歴史において必須の要素なような気がします。
このブログは、デザイン分野におけるダースベイダーを目指しています。とはいえ、別にデザイン帝国をつくって世界支配をしようというのではありません。私がデザインやら情報工学の世界に勝手に惚れ込み、しばし没頭した結果、それらの限界を知り、自分の浅はかさに愕然として、結果として裏切られながらも、新しい可能性を見つけようとしているだけです。ダースベイダーの居ないスターウォーズは茶番劇です。ずっと勝ちっ放しの映画ほど味気ないものはありません(スティーヴン・セガールは除く)。
そんなわけで、このブログではデザインの楽観論を述べる気はありません。常に勝ちっぱなしの、俺様デザイン自慢を展開する気もありません。「元気の素」としてそれらが必要なのはわかりますが、今や専門誌をみたり、その手のセミナーに言ったりすればいくらでも手に入るからです。そういうお祭り的なところで手に入らない、「心のくさび」みたいなものが欲しいのです。これからもデザインと社会との確かな結びつきを保つために、デザイン行為それ自身を思考し、厳しく見つめて行きたいと思っています。
実をいうと、どうもデザインに対して懐疑的・批判的な記事ほど人気が高いようなのです。読者であるデザイナーの方々は、きっとご自身の心の中にあるダークサイドを触れられている、くすぐったい感覚を受けられるのだと思います。それが不快な方は、どうぞブログを見ないでください。こちょこちょこちょ。