2010年4月21日水曜日

デザインの悪魔

学際(インターディシプリナリー)について、とある最高学府でお話しを伺ったときに思ったこと。


学際(interdisciplinary)

  • どんな専門分野にも垣根はない、ということを研究するための専門分野。
  • 先生方による「学園祭」。

文理融合(academic fields that integrate the humanities and science)
  • 教授同士の仲が悪いという理由だけでバラバラにされた学生たちを、再びくっつけようとする動き。
  • 分離融合ともいう。

デザイナー(designer)
  • アーティストに対する最大限の侮辱。
  • 芸術家としてのモラルを捨て、消費資本主義に心を売った人のこと。
  • 例:「やっぱりデザイナーのつくるものは誰に対しても魅力的ですね」

アーティスト(artist)
  • デザイナーに対する最大限の中傷。
  • 社会との接点を捨て、なりふり構わない表現をする自分勝手な人のこと。
  • 例:「あなたはひょっとしてアーティストが向いているのではないでしょうか?」

エンジニア(engineer)
  • 科学者に対する最大限の誹謗。
  • 学術的な高みをあきらめ、イノベーションや合理化という卑猥な目的のために技術を使う人のこと。
  • 例:「君のようなエンジニアに新商品の開発を任せたいと思っているんだよ」

科学者(scientist)
  • エンジニアに対する最大限の嫌味。
  • 利用目的やフィージビリティを考えず、やみくもに自分の興味ある実験や理論展開を行う人のこと。
  • 例:「まるで科学者の方と話しをしているみたいでワクワクします、何でも出来る気がしてきました」

分離と融合
むかし、といってもダ・ビンチとかの時代の話しですが。500年くらいむかし、デザインもアートも、エンジニアリングも科学も、ぜーんぶ一緒だった幸せな時代がありました。しかし今、専門分野を細分化することが合理的で文明的な行いだと、我々は長い時間をかけて信じ込まされて来ているのです。
これをまた元通りにするのは、大変な苦労が要ると思います。だって話す言葉も思考も違う人たちが(話す言葉と思考とはほぼ同じ意味ですが)、ファッションや生活様式さえも違う人間が(ファッションと生活様式もほぼ同じ意味ですが)、相互に理解し合わなくてはいけないからです。
このブログはデザインとエンジニアリングの間をひもで結ぼうとしていますが、世の中にはまだまだ無数の輪っかや切れ端が散らばっているような気がします。環境と情報とか、哲学と芸術とか、民俗学と広告とか。無数にある専門分野の、それぞれの対角線を結ぼうというのですから、「人の数だけ学際あり」といっても過言ではありません。
どうかみなさんなりの学際を見つけてください。そこに何らかの答えがあるはずです。