2008年10月9日木曜日

科学の美(その2)~情報表現の可能性

聖書の可視化
 一つだけ気になったのは、「聖書の可視化」という題名で、

Bible

聖書の可視化、6万3779件ある相互参照を表し、テキストを結ぶ円弧の1本1本が相互参照1つに対応している。円弧の色の違いは、結びつけられた章の距離の大小を示しているのだとか。

聖書の相互関係を表したダイヤグラムだ。ぱっと見、「ずいぶん沢山の参照関係があるんだなぁ」という印象しか持てないのが残念だけど、もっと「考察」的な余地が残っていれば、深みが出たかもしれない。この作品で思い出したのが、「デーマイニング」だ。

今さらながらのデータマイニング
  莫大な量のデータから何か意味のある情報を発見的に見つける手法をデータマイニング(data mining)という。人工知能プロジェクトの失敗と同時に、最近ではあまり注目されることは無くなってしまった。今ネット上でちゃんと使われているマイニングといえば、Amazonのレコメンド機能やGoogleAdsenseといった、「アイキャッチのためのテクノロジー」くらいのものだろう。

 沢山の人のブログからきざしを推定したり、人とのつながりを再認識させられるMixiGraph、あるいは関心空間のようなアプローチは、人と人との新たな「関係性」を見出そうとしている点でとても面白いデータマイニング手法だと思う。それは単なる検索や、アドの表示にとどまっていない。

 新しい技術によって、創造性をかきたててくれるもの、新しい関係性(つながり)を見出せるものは、素晴らしいと思う。リソースを使った挙句に、ただ目を奪うだけのものは、その時はそれで面白いと思うけど、なんだか「もったいないなぁ」と感じてしまう。