眠りにつく間際の夢のように、もののカタチを自由に変えてみるというのは、デザイナーのもつ日常的思考だと思う。ここでカタチというは、スタイルやフォルムといった見せかけの特徴ではなく、「そのカタチの意味を切り取る」ような作業も含まれる。時には、新しいスタイルを生み出すことよりも、意味を保存することの方が大事な場合もある。
写真は、ワタミが提供する老人用「ソフト食」の製作過程だ。どうみても「カツオのたたき」にしか見えないこの食べ物は、一度ミキサーでソフト化したカツオを再成型したものだ。それまで「ミキサー食」といわれる流動食に頼っていた分野に、再成型(リ・デザイン)という手法によってイノベーションを起こしている。
モノの「味」には、目で見る視覚的情報が大いに関係しているはずだ。同じニオイ、同じ味覚のものであっても、ミキサー食とソフト食では全く「味」が異なる。ソフト食は、素晴らしいデザイン思考だと思う。
(つづく)
2008年10月16日木曜日
形状操作によるデザイン~「意味」のデザイン
人気の投稿
- 無印良品=空虚な記号
- 石原都知事の記事、福島智について。
- ソビエトとナチスのプロパガンダポスターを中心にポスターデザインの歴史をみる
- ドラえもんの手は丸いのに、どうして物をつかむ事ができるのですか? (小1・おんな)
- (休日の自由研究)神保町シアタービル
- ホスピタリティのデザイン(その2)~嗅覚ブランディング
- 退化するデザイン(その1)~LPからCDへ
- 津波警報、テレビ各局が色を統一 色覚障害などに配慮 / Color universal design for Tsunami warnings on Japanese TV
- 自動車の溶接過程が美しすぎる!工場萌え必見、写真コンテスト「PICTET」のノミネート作品
- ログ×デザイン ~ EUの出入国スタンプ、御影札