2008年10月19日日曜日

(休日の路上観察)下町の軒先にみるデザイン

 先日、カンロ飴のパッケージデザインで良く知られるセキユリヲさんの公演を聞く機会があった。セキさんのプレゼンの半分以上は、千葉にある自宅の庭やら、育てている野菜や、作りかけの梅干やらのキラキラした写真で出来ていた。
 いわく、「デザインってやればやるほど狭くなっちゃう。自分を広げるために、普段から色々なものを写真やコラージュに残すよう、心がけているんです」だそうだ。



 下の写真は、インテリア誌の編集者の方が、取材の合間に集めたという軒先デザインコレクション。デザイナーによらない立派な「デザイン」の要素が見とれる。


左:美しく並べられた植木鉢、真ん中の桜(?)が効いている(デザイナー:下町のおばちゃん)、
右:試しに、左の写真から成分だけをとってみたもの。




左:五線譜のようなレールにハンギングの花がバランスよく配置されている。素材こそチープだけれど、立派なデザインだと思う。右:同じく成分だけを抽出したもの、ちょっとだけ武満徹風?

 セキユリヲさんのように、「自然の、デザインされていないもの」を愛でる姿勢、あるいはインテリア誌の編集者さんのように、「アマチュア&チープなデザイン」を発見する喜び。そしてこれらから、自分の作品性をつくりあげていく融合的な感性は、デザイナーにとっての大切な栄養素なんだと思う。